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【歌の表現や滑舌に活用するボイストレーニング(ボイトレ)テクニック】

2019-11-18
【歌の表現や滑舌に活用するボイストレーニング(ボイトレ)テクニック】

「ん」の発音の仕方

「ん」の発声に違いがあるのか??と思った方もいると思います。実は「ん」には、いろいろな発音の仕方があり、無意識に覚えた「ん」を使って歌ったり、会話を行ったりしています。いろいろな「ん」の発音方法を知ることで、歌の表現や滑舌に活用することができます。意識的に言葉をコントロールすることで自分の思いが伝わりやすく、表現しやすくなりますので、ぜひ「ん」の発音のボイストレーニング(ボイトレ)テクニックを覚えて活用してみてくださいね。

1.  「ん」とは…?

・息を鼻に通して出す声帯振動を伴う音で、鼻音と呼ばれています。

・文字どおりンであらわされる音ですが、日本語のンの発音には5つぐらいあり、条件によって異なるンの音で発音されます。

・美しく発音することで歌詞をスムーズに聴き手に届けることができ、きれいに響かせることで歌の伝わり方がさらに良くなります。

 

2. 練習ポイント・注意点

・のどの奥の方で出したり、力んで出したり、ンがウのように聴こえたりしないように気をつけましょう。その為には、のどの奥のほうで出すのではなく、リラックスして音を鼻に抜いていくようなイメージで出しましょう。

 

3.「ん」の発音の仕方① パ・ピャ行、バ・ビャ行、マ・ミャ行の直前に来る

口を閉じて発音

・上下の唇を合わせて閉じたまま、鼻から「ム」と声を出して発音します。

・ンの次に来る音が口を閉じて出す場合のンです。

「ぱ・ぷ・ぺ・ぽ」「ぴゃ・ぴ・ぴゅ・ピェ・ぴょ」
例〔さんぽ〕散歩、〔しんぴ〕神秘

「ば・ぶ・べ・ぼ」「びゃ・び・びゅ・ビェ・びょ」
例〔トンボ〕トンボ、〔さんびゃくろくじゅうごにち〕365日

「ま・む・め・も」「みゃ・み・みゅ・ミェ・みょ」
例〔うんめい〕運命、〔かんみ〕甘味

 

4.「ん」の発音の仕方② タ・チャ・ツァ行、ダ・ヅ・ヂャ行、ザ・ジャ行、ナヌネノ、ラ・リャ行の直前に来る

口を開けて発音

・口を少し開け、舌先を上の歯茎のあたりにつけて、鼻から「ヌ」と声を出して発音します。

・舌の位置を確認しながら声を出してみましょう。

「た・ティ・トゥ・て・と」「ちゃ・ち・ちゅ・チェ・ちょ」「ツァ・ツィ・つ・ツェ・ツォ」
例〔せんたく〕選択、〔パンツ〕パンツ、〔あんちゅうひやく〕暗中飛躍

「だ・ディ・ドゥ・で・ど」「づ」「ぢゃ・ぢ・ぢゅ・ヂェ・ぢょ」
例〔かんだい〕寛大、〔かnづめ〕缶詰、〔かnづく〕勘付く、〔ごはnぢゃわ〕御飯茶碗、〔いっぽnぢょうし〕一本調子
(「づ」「ぢゃ・ぢ・ぢゅ・ヂェ・ぢょ」と「ず」「じゃ・じ・じゅ・ジェ・じょ」は、発音上は同じように聞こえます。)

「ざ・ズィ・ず・ぜ・ぞ」「じゃ・じ・じゅ・ジェ・じょ」
例〔かんぜん〕完全、〔かんじ〕感じ、〔かんじょう〕感情、〔ねんじゅう〕年中、〔はんじょう〕繁盛
(「ず」「じゃ・じ・じゅ・ジェ・じょ」と「づ」「ぢゃ・ぢ・ぢゅ・ヂェ・ぢょ」は、発音上は同じように聞こえます。)

「な・ぬ・ね・の」
例〔ほんのう〕本能、〔こんなに〕、〔あんなに〕

「ら・る・れ・ろ」「りゃ・り・りゅ・リェ・りょ」
例〔ほんらい〕本来、〔しんるい〕親類、〔せんりゃく〕戦略、〔かんり〕管理、〔かんりゅう〕寒流、〔かんりょう〕完了

 

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5.「ん」の発音の仕方③ ニャ行の直前に来るン

口を開けて発音

・口を少し開け、舌の一番前の表面の部分を上の歯・歯茎のあたりにつけて、鼻から声を出して発音します。

・舌の位置を確認しながら声を出してみましょう。

「にゃ・に・にゅ・ニェ・にょ」
例〔こんにゃく〕蒟蒻、〔しんにゅうせい〕新入生、〔しんにょう〕辶、〔はんにゃ〕般若

 

6.「ん」の発音の仕方カ・キャ行、ガ・ギャ行、ガ・ギャ行鼻音の直前に来るン&母音イ・エの直後(直前の子音の母音がイ・エ)でンで終わる

口を開けて発音

・口を少し開け、舌の後ろの部分を上あごの奥につけて、鼻から声を出して発音します。

・舌の位置を確認しながら声を出してみましょう。

「か・く・け・こ」「きゃ・き・きゅ・キェ・きょ」
例〔しんか〕進化、〔せんこう〕閃光、〔かんきゃく〕観客、〔かんき〕歓喜、〔しんきゅう〕進級、〔かんきょう〕環境、〔はんこう〕反抗

「が・ぐ・げ・ご」「ぎゃ・ぎ・ぎゅ・ギェ・ぎょ」
例〔サングラス〕サングラス

「か゜・く゜・け゜・こ゜」「き゜ゃ・き゜・き゜ゅ・キ゜ェ・き゜ぉ」
例〔おんがく〕音楽、〔しんごう〕信号、〔りんご〕林檎、〔あんぎゃ〕行脚、〔にんぎょう〕人形

母音イ・エの直後、直前にくる子音の母音がイ・エでンの後に続く音がない(ンで終わる)
例:イ 〔きん〕金、〔ぎん〕銀、〔はくらいひん〕舶来品
例:エ 〔ふうせん〕風船、〔せん〕線、〔てん〕天

 

7.「ん」の発音の仕方⑤ 母音、サ・シャ行、ハ・ヒャ行、ヤ行、ワ行の直前に来るン&母音ア・ウ・オの直後(直前の子音の母音がア・ウ・オ)でンで終わる

口を開けて発音

・口を少し開け、舌の後ろの部分を上あごの奥の縁につけて、鼻から声を出して発音します。

・舌の位置を確認しながら声を出してみましょう。

母音
例〔しんあい〕親愛、〔れんあい〕恋愛、〔しんい〕真意、〔たんい〕単位、〔きんいつ〕均一、〔かんう〕関羽、〔げんえき〕現役、〔げんえい〕幻影、〔はんえい〕繁栄、〔はんえい〕反映、〔なんおう 〕南欧、〔らんおう〕卵黄

「さ・スィ・す・せ・そ」「しゃ・し・しゅ・シェ・しょ」
例〔せんせい〕先生、〔かんそう〕感想、〔しんそう〕真相、〔さんせい〕賛成、〔こんしん〕渾身、〔かんしゃ〕感謝、〔いんしょう〕印象、〔はんしょう〕反照

「は・へ・ほ」「ひゃ・ひ・ひゅ・ヒェ・ひょ」「ファ・フィ・ふ・フェ・フォ」
例〔ぜんはん〕前半、〔へんほちょうちょう〕変ホ長調、〔さんはんきかん〕三半規管、〔とくさんひん〕特産品、〔こくさんひん〕国産品、〔せんひゃく〕千百、〔みかくにんひこうぶったい〕未確認飛行物体、〔ガラスかんヒューズ〕ガラス管ヒューズ、〔えんひょうじ〕円表示、〔ぜんふつ〕全仏、〔なんふつ〕南仏

「や・ゆ・イェ・よ」
例〔こんや〕今夜、〔しんや〕深夜、〔きんようび〕金曜日、〔ほんや〕本屋、〔とんや〕問屋、〔しんゆう〕親友、〔おんよみ〕音読み

「わ・ウィ・ウェ・ウォ」
例〔しんわ〕神話、〔かんわ〕緩和、〔せんを〕線を、〔ほんを〕本を、〔だんわ〕談話、〔でんわ〕電話

母音ア・ウ・オの直後、直前にくる子音の母音がア・ウ・オでンの後に続く音がない(ンで終わる)
例:ア 〔ごはん〕ご飯、〔はん〕半、〔パン〕パン、〔カン〕缶、〔さん〕三
例:ウ 〔うん〕運、〔こふん〕古墳、〔かふん〕花粉
例:オ 〔えほん〕絵本、〔ほん〕本、〔にほん〕2本、〔もん〕門

 

8. まとめ

・このように、「ん」ひとつ取ってもこれだけの種類と出し方があります。無意識に覚えた言葉は、教えてもらうというより、聞いて真似して覚えていきます。覚える手本は、親や兄弟がほとんどだと思います。正しい発音を学ぶことでいろいろな表現が可能になりますが、歌の表現は雰囲気や環境によって左右されていくものです。まずは、いろいろな「ん」を出していただき、意識して歌や会話に取り入れていただければ幸いです。

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