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【ボイストレーニング(ボイトレ)テクニック ロングトーン編】

2020-03-08
【ボイストレーニング(ボイトレ)テクニック ロングトーン編】

 

1. ロングトーン チェックとは?

・左右の声帯の間にある、息の通る狭い隙間(声門と呼ばれています)で、息がどの程度効率よく声に変わるかどうかや、(息継ぎなし)ひと息でどれだけ長く声を出し続けることができるのかのチェックです。

・軽く「アー」と何秒声を出し続けることができるかを計測します。呼吸や喉頭の調節を含めたロングトーンの能力(声を長く出し続けることのできる力)を知るひとつの目安になります。

・声を長く出し続けることや、声を出している間に使う息の量は肺活量(息を深く吸い込んでから、全部はき出したときに、吐き出すことのできる空気の量/どれだけ多くの空気を吐き出すことができるのか)に関係しています。また、声を長く出し続けることには、一回の呼吸で肺に出入りする空気の量や、息(肺から送られた空気)によって声帯が振動し、声に変わる効率(息が声に変わる比率)も関係しています。

 

  • 1-1.ロングトーン チェックのやり方

1-1-1.初心者・初級者向け

・大きく息を吸って、声帯に無理がかからない程度の自分にとって普通の(自然な)声の高さ、普通の(自然な、わざと弱い声や強い声を出さないように、中くらいの)声の大きさで、できるだけ長い時間「アー」と途切れることなく声を出し続けます。苦しくなっても途中で諦めないで最後まで「アー」と出し切ります。

1-1-2.中級者向け

・ロングトーンやロングブレスをしっかり練習し、自信がついたら、大きく息を吸って、一定の声の高さと大きさで、できるだけ長い時間「アー」と途切れることなく声を出し続けます。

1-1-3.中・上級者向け

・さらに、自信がついたら、大きく息を吸って、一定の声の高さと大きめの声で、できるだけ長い時間「アー」と途切れることなく声を出し続けます。ただし、怒鳴るような大きな声は声帯を傷めてしまう恐れがあるので、注意しましょう。

 

  • 1-2.ことば(言葉)

・慣れてきたら、その他の母音やハミングなどを使って練習してみましょう。

 

  • 1-3.計測するときの姿勢

・立った状態でもイスに座った状態でもどちらでも構いません。

・ロングトーンやロングブレスをしっかり練習し、自信がついたら、立った状態とイスに座った状態の両方で、それぞれ行ってみましょう。

 

  • 1-4.声の持続時間を計測しよう

・スマートフォンのストップウォッチ機能などを使って、声を出し続けた時間を0.5秒単位で計測します。

・声の高さも記録しておくといいと思います。

 

  • 1-5.計測を行う回数

3回続けて計測を行い、そのうち一番長く続いたものを今回の記録として、スクリーンショットを撮るなどして記録として残しておきましょう。

・計測の結果、発声の持続時間が十分でなかった場合は、しっかり練習しましょう。計測結果が十分な場合でもロングトーンの能力を維持できるように継続的に練習していきましょう。

 

  • 1-6.発声の持続時間の目安と目標

20歳以上の男女は、まずは、1015秒以上。そして、1525秒、2030秒。ロングトーンやロングブレスをしっかり練習し、自信がついたら、男性は25秒前後。そして、平均約30秒。女性は15秒前後。そして、平均約20秒を一つの目安・目標にしましょう。

20歳以上の男性は、まずは15秒以上。ロングトーンやロングブレスをしっかり練習し、自信がついたら、25秒前後。そして、平均約30秒を目標に。最長50秒。

20歳以上の女性は、まずは10秒以上。ロングトーンやロングブレスをしっかり練習し、自信がついたら、15秒前後。そして、平均約20秒を目標に。最長4050秒。

・小学生の発声持続時間は学年とともに、また、成長と共に肺活量が増えていくのとほとんど同じようにして長くなっていき、中学生にかけて20歳以上の男女の数値に近づいていきます。

・年齢によっては男性の方が、平均値が高くなりますが、年齢差があまりなかったり、個人差が見られたりする場合もあります。

 

  • 1-7.計測する間隔は?

・発声の持続時間が40秒以上の場合は、少し休憩を挟みましょう。何回か深呼吸するなどして、少し時間をおいてから次の計測を行いましょう。発声の持続時間が40秒未満の場合は、特に休む時間をおく必要はありませんが、自分の体調に合わせて、必要であれば少し休憩を挟みながら行うようにし、決して無理をしないようにしましょう。

2週間に一度くらいの間隔で計測してみましょう。

・ロングトーンやロングブレスの練習は、自分の状態や目標に合わせて適宜行うようにしましょう。

 

  • 1-8.ポイントと注意事項

・やり方などをしっかり確認し、自分のペースで始めましょう。練習してから計測してもOKです。

・声がよく聞きとれない状態や大きな声を出す習慣や癖がある人は、本当はもっと長く声を出し続けられるのに、発声の持続時間が短くなってしまうことがあるので、声の大きさには注意しましょう。

・発声の持続時間は、声を長く出し続けることに十分に慣れて上手になったり、声門を強く閉じるか閉じないかなどといった声の出し方だったり、本人の努力(頑張り)などによっても変わるので、何回か深呼吸をしたり、練習したりしてから計測するようにしましょう。

・発声の持続時間が短い、または、短くなる要因は、肺活量が減って(低下して)いたり、声を長く出し続けるための呼吸や喉頭(声門がしっかり閉じて合わさっていなかったりなど)の調節が上手にできていなかったりすることがあります。

・発声の持続時間が10秒あれば、普通、日常会話では問題ないと思われます。

・ひと息で歌う長さは、大抵の場合15秒程度なので、10秒くらい声を出し続けることができれば十分かと思いきや、中には、10秒近くになるところや、場合によっては10秒以上になるところもあったりします。さらに、歌うときは、音の高さや大きさ、音色などを状況に応じて変えながら歌うため、できるだけ声を長く出し続けられるのに越したことはないです。

 

  • 2.ロングブレス チェックとは?

・左右の声帯の間にある、息の通る狭い隙間(声門と呼ばれています)が開いている状態で、声門以外のところでせばめをつくって、(息継ぎなし)ひと息でどれだけ長く息を吐き続けることができるかのチェックです。

・「スー」と何秒息を吐き続けることができるかを計測します。長く息を吐き続けやすい「スー」や「シュー」または「シー」、前者に比べると息を長く吐き続けるのが難しい「ハー」「ヒー」「フー」「ホー」のような音を出して、何秒息を吐き続けることができるかを計測します。

・どれだけ長く声を出し続けることができるのかを決めるひとつの要因として関係している、息を長く吐き続けることのできる力や、呼吸の調節、子音の音をつくり出すのに伴って息をどれだけ使うかに影響を与える声道(喉頭を含む)の調節を含めたロングブレスの能力(息を長く吐き続けるための調整能力)を知るひとつの目安になります。

 

  • 2-1.ロングブレス チェックのやり方

・大きく息を吸って、自分にとって普通の(自然な、わざと弱い音や強い音を出さないように、中くらいの)音の大きさで、声を出さない(声帯を振動させない)で、できるだけ長い時間「スー」と途切れることなく音を出し続けます。苦しくなっても途中で諦めないで最後まで「スー」と出し切ります。

 

  • 2-2.息の持続時間を計測して息の使い方を評価してみよう

・息を長く吐き続けられる時間と声を長く出し続けられる時間を比べれば、声門(左右の声帯の間にある、息の通る狭い隙間)の段階での、息をうまく使うことのできる力を推測することができます。

・(息継ぎなし)ひと息で「スー」と息を出し続けた時間が、(息継ぎなし)ひと息で「アー」と声を出し続けた時間よりも長ければ、息の使い方は上手です。

 

  • 3.まとめ

・ひと息で歌える長さが短いと、フレーズが終わるまでの間に息が無くなったり、息継ぎの回数が多く必要になったり、また、頑張って声を出し続けて息苦しくなったりするなど、歌の中で色々と不自由さを感じることがあります。ロングトーンは気持ちよく歌うために必要なテクニックなので、ロングトーンやロングブレスをしっかり練習しましょう。

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